我が家の3人の子供たちは、ノリがいい。
子どもたちが幼稚園から小学校低学年の頃、家族全員でスキーを始めました。
きっかけは、当時私が勤務していた会社の社長がスキー好きだったこと。そして社員が従順で、結束が良かったこと。
つまり、私が無理やりスキーデビューしなければならなくなったということです。
まったくもって何もできない私を、当時の同僚は、優しく面倒を見てくれたなー。
なにせ、チケットの買い方すら、ストックの持ち方すら分からない「あしでまとい」です。
「一日券?なにそれ」一番高額なチケット。その場の雰囲気で一緒に購入。だって、置いて行かれても困りますから。
ゴンドラで、一番てっぺんまで連れていかれボーゲンでおりる?
ボーゲン一本やりでゲレンデを滑る、いや転がる。とにかく、恐怖ですよ。転んで覚えるというのは子供だからできることだと思いますよ。
BUT!しかし、少しでも滑れるようになると楽しくなってくるものなんですね。
「おっ、結構できるぞ」
スキーの楽しさが分かるようになった私は、子供たちを引っ張り出したのでございます。
大人になって「うん、少しは滑れるよ」と言える程度にはさせておかなければ・・。ある意味使命感だ!
いやいや「おかん、スキーさせてくれてありがとう。本当に感謝してるよ」とでも、言ってもらいたかったのかもしれませんよ。なんかそんな気がする。うん。
あとから気づくんですが、家族全員分となると、ウエアや板・ストック、ゴーグル・グローブ。かなり・・・お金がかかったなー。
行った先でもほんとにお金がかかるんですね。
リフト券、通者料金。遠い所へ行くときはガソリン代と高速代。
でもね、後には引けませんし。
その頃って、このために働いていいたような気もするんですよ。でも、なんだろう。止められなかった。
東北に住む私たち家族にとって「雪」は、決して珍しいものではないんですけど、スキー場の雪は、生活道路の雪とは別なものに見えるんですよね。
たしかに触った感じも違う。「パウダースノーだぜ」という言葉を使っている自分もかっこよかった・・かも。
「ゲレンデ、雪あるかしらね」などと心配する年もあったんですが、たいてい「家の目の前の道路でもできそうなくらいだよ」というのが東北です。(近年はほんとに心配でしょうね)
なので、近いところなら、ゲレンデまで約1時間で行ってしまうわけです。
さてさて、そのころはシーズンになると、月2回のペースで出かけてました。
土曜日の朝になると、夫は4時に起きておにぎりを握る。
卵焼きをタッパーに詰め、なめこの味噌汁を保温ジャーにつめます。コーヒーをポットに入れて、紙コップ・紙皿もバックに入れます。濡らしたタオルやゴミ袋まで用意してバックに詰めます。
わたしじゃありません。
夫は、こういうことが大好きです。ほんと、細かなことにもよく気が付きます。
こういうことができるのは、「遺伝」だと思いますよ。私は全くできないですもん。
というより、やればできるんですが、夫がやったほうが手際がいいし、子供たちは
確認してから食べ始まりますもん。
私の役目は、全体の企画、スケジュール調整。各種手配。金銭管理。
まったくもって、会社組織のようになっている家族なんです。
まっ、それでうまくいってますから、その役回りは今もそのままです。
6時には家を出発。
さんざん転び倒して、午後3時にはスキー場を後にするんですね。
始めの頃、夫以外はスキーの靴を履くことさえ、一人ではできないんですよ。当然ですわね。
子供たち3人に靴を履かせ歩き方を教え、転び方を教える。
これも、夫の役目です。
夫は、独身時代にスキーの経験があったらしく、自信満々に教えているし。
子供たちからすれば「お父さん、すっげー」という感じ。
夫は、子供たちをゲレンデデビューさせるとき、自分のスキー板は車から降ろさず、長靴でゲレンデにいましたから。
あちこちで転がって立てなくなっている子供たちを起こして回っている。そして、ボーゲンのかっこをやって見せている。
ゲレンデ下の駐車場に着いたとき、自分のスキー板を降ろさない夫に私は言ったもんです。
あなたも、一人じゃ立てないでしょ?
夫は、そういうやつだ。
シャカシャカ、一人で格好よく滑るお父さんより、長靴で子供たちを起こして回っている夫を「なかなか、いい男だ」と思ったりしたもんだ。
そこへ行くと、かっこいい夫を見たいと思うなんて。
私はまだまだ「恋人気分」だったのかも。てへ。
さて、結構な時間ゲレンデやレストランで楽しんでの帰宅の車中、かならずと言っていいほど、子供たちは喧嘩になるんです。
たのしかったはずが、喧嘩になる。
不思議だけれど、本当にわかりやすい。
4・5歳ごろまでなら、遊んだ後は、車に乗ったらすぐに・・全員眠っていたのに。
足を伸ばしたいところに兄弟の足があると喧嘩。
自分がうたっている歌に合わせて声を出すとうるさいと言って喧嘩。
喧嘩は、相手を意識しているからだ。
なにも絡まなくてもいいんだから、どちらかが大人になりなさいよ。
そう言っても、大人になろうとしている方に絡む。年齢の上下なんて関係ない。
今思えば、子犬がじゃれているようなものなのでしょうが、経験の浅い親になりたての私たちは、一緒になって怒るわけですよ。
叱るじゃなくて、怒る。
感情に任せて。
「本当は、親が一番つっかれているんだ。うるさい!」
つまり全員が子供だ。
よく、スーパーで、激怒して、子供をひっぱたいているお母さんたちがいるけど、気持ちはわからなくもないです。
でも、自分が興奮しても、なーんも解決しないんですよね。
これ、カウンセリングの勉強して解りました。まず、聴かなきゃダメだったですよ。「子供の気持ちを」です。
「傾聴」です。
さて、それから数年、長男はショートスキー、次男は板の大きさをかえ、長女はスノボへと興味を広げていったわけです。(またまた、散財)。
私たち夫婦は、一回だけ、なだらかなゲレンデを滑り降りると、後はレストランでコーヒーを飲んで過ごすようになりました。
絵的には、優雅な感じもするんですが。
足が痛いのだ!
子供たちは、思いのまま楽しんでいるし。
自転車と同じで、スキーやスノボも体に覚えさせれば後は占めたものですよね。
彼らには、
と言えるようにさせたいという、よこしまな(?)使命感で連れて行ったウインタースポーツ。
と内心では思っていた私。
ちょいと親ばかですよね。
でも今思うのは、子供たちには、滑れない人に手を貸してあげられる人でいてほしいです。
さて、子供が成長するにつれ、休みの日の過ごし方に親が介入することは出来なくなり、どこかに無理に連れて行くことはなくなったんです。